二階堂紘嗣・山本ケイジ/MF文庫J
契約をするか。悪魔と契約をする代償は、魂だ。
『九(いちじく)探偵事務所』。
街中のボロビルに看板を掲げた一室に寛ぐのは、銀髪の美少女「九」と黒ずくめの男「一(にのまえ)」。
ふたりは、一つだけ願いを叶える「契約」によって魂を狩る、悪魔だ。
九と一は今日も錆びたドアを叩く“人間”を待っている。人々の業と狂気を待ち望んでいる……。
「なーんてね。オレたち、人間の所業に興味津々な、諧謔を理解する、とてもいい悪魔だよね、九」
「うるさい。お前はカラスだ、一。バカなカラス。バカラス。てかお前もう喋んな。喋んなきゃ死ぬのか。じゃあ死ね」
「ひどい!」
常世は真昼の夢であり、終わらない夜である――新進気鋭が堂々放つ、鮮烈な現代奇譚!
年に1・2作はこの手の作品が出ますね。
一見すると『しにがみのバラッド』や『シゴフミ』のようですが、その実ぜんぜん違うタイプの作品でした。
例えるならば『笑ゥせぇるすまん』。あるいは『ウルトラQ』。
山本ケイジ(超肉)に騙されてはいけませんね。
冒頭から微妙にメージャーなマイナー映画(『21グラム』)の内容を引用するなど「分かる人だけ分かればいい」というスタンスが伝わってきました。
結局アレは何だったの?というものも残したまま終わったりライトノベルとしては非常に新鮮な切り口の作品で、個人的には好感触でした。
世の中から逸脱した人間たちのお話なのにどこかもの凄く人間くさい、こういう作品は個人的には結構好きです。
あとがきには「短編集の2番目の話が自信作」とあります。
この作品は1冊で3話収録で読者としても1話目は探り探りで読んでいて、作品の方向性が分かってくるのが2話目だと思うので、その意図は良く分かります。
が、収録話数が少なすぎた。
1話1話はもう少し短くてもいいから最低4話、欲を言えば5話欲しかった。
それで1話目と5話目にリンクを持たせてくれればもっと分かりやすい作品になったのに。
狙って語らないのと分かりづらいのは違いますよね。
おそらくは続きモノだと思います。
ですので長いスパンで考えればいいのかもしれませんね。
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